微妙・・・
この本については評価が高いようですが、個人的にはあまりお勧めできません。まず、現在の法哲学のメジャーなテーマである正義論の記述が余りにも少ないこと。法哲学以外の分野(国際法や憲法など)について、かなり記述に誤りがあることなどがその理由として挙げられます。専門分野でないからといってしまえばそれまでですが、教科書として出版する以上、誤りを書くのは非常に問題があると思います。
法哲学の分野でも、自然法を非常に高く評価しているような印象を受けますが、自然法思想の問題点についてはあまり言及がなされていないようで、やはり教科書としてはいかがなものかと。
もっとも、ひと通り法哲学、憲法、国際法を勉強した後に批判的に読む分にはある意味非常に読み応えのある本だともいえますが・・・
名著
法哲学のテキストの中で、これほど読みやすいものはない。かなりのページ数であるが、一気に読み終えることが出来た。初歩的な誤植が多いのが多少気になるが、法律に縁のない人にもお勧めの一冊である。
すばらしい本ですが・・・。
法哲学の入門書として、最高の一冊です。ただ、かなり誤植(編集ミス?)が多いのが気になります。出版社の面目にかけて、重版ではそれらが訂正されていることを期待します。
法学入門・法哲学入門
近年上梓された法哲学教科書の多くは,発想の根拠を英米法哲学に求めるものが多く,特にロールズを中心に紙幅を割く傾向がある.本書はそれと異なり,独法哲学にその根拠を求める割合が大きい(「緒論」p3).事実,頻繁に引用される文献はカント,ヴェーバー,シュミット,ケルゼンなどだ.その意味では「異端」だが,もともと我が国の法学は,ドイツ的な観点をバックボーンとしている面がある.そこから見ると「正統」「本流」的な一冊である.また,従来の教科書の議論は,それが実定法解釈とどう具体的に連動するのかが見え難いところがあったが,本書はその点にも配慮し,基礎法学と実定法学の橋渡しが上手い.法の全体像を総合的に説明するという意味で,「法哲学講義」というよりは「法学講義」であると感じた.叙述スタイル的には,同じ出版社の内田貴『民法』シリーズや前田雅英『刑法講義』シリーズと同様の雰囲気で,初学者でも読破できるよう,記述に工夫が凝らしてある.例えば,一つの概念を論じるに当たっては,初めに定義を明確にし議論を誘導することはもちろん,類似概念との比較,比喩のふんだんな駆使など,文章が相当に咀嚼し練ってある.法哲学は割と身近な問題を扱うということもあり,高校レベルの社会科科目程度の知識があれば,本書の理解はそれほど困難ではない.この点は大いに評価できる.ただ,咀嚼した説明を採ることの宿命(?)として全体頁数はそれなりに大部である.比較的余裕のある大学1・2年生の頃に,まとめのノートをとりながら(もちろん,そのノートは将来膨らまして行くことを念頭に)読んでおくといいだろう. 法学部に入学したら内田『民法』などと併せてまず買うべき一冊.法的思考の特徴・枠組を掴むことが出来るだろう.
東京大学出版会
法思想史講義 下 法思想史講義 上 (1) 二十世紀の法思想 (岩波テキストブックス) 法哲学 (有斐閣アルマ) 法理学講義
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